9.08.2009

キキ


 
 
帰ってくると、キキがいつものこのポーズ。

メイドカフェへ行くとウェイトレスが「お帰りなさいませ、ご主人様」と言って迎えてくれるのだとか。
「いらっしゃいませ」と言われるよりは、《待っていてくれた感》があっていいと思う。

キキは何と言っているのかわからないけれど、体をくねくねさせながら、僕を待っています。
松浦寿輝さんエッセー『愛するものと一緒にいて』(『散歩のあいまにこんなことを考えていた』文藝春秋)にこんな一節を読みました。

彼女はわたしを「愛」しているのか。そんなことはどうだかわかりはしない。あれこれ思いをめぐらせているうちに、たしかなことは、ミケがいつもわたしを待っていてくれた、待つことで支えてくれたという一点のみだと思い当たった。
 

彼女とはミケ、ミケとは松浦さんの飼い猫のこと。
言葉を介さない相手の気持ちを推し量るとき、唯一の手がかりは《待っていてくれる》という事実だけなのでしょう。
動物を飼う人は、その事実だけで嬉しくなれるのです。
 
さて、キキは待っています。
僕というより、気持ちよくなれるマッサージをする人間を……。