6.22.2009

クチナシ


 
 
開かんとする蕾に雨のしずく。
 
雨上がりの、水分をたくさん含んだ空気の中を歩いていると、日本だなあと感じます。
ごく個人的な感慨なので、どうでもいいことなのですが。

汗が噴き出すような蒸し暑さでも、その空気は決して嫌いではありません。
もちろん、中国や台湾でも同じような蒸し暑さが存在することでしょう。
でもおそらく湿った空気の匂いが違うはず。
空気が濡れていると、土地の匂いがよくわかるのです。

苔のついたコンクリート塀が途切れたところに、クチナシが咲いていました。
水の中に砂糖を溶かしたときのように、あたりに濃厚な匂いがたちこめる。
雨は花を官能的にさせるような。